福祉政策ほど、私たちの生活を根本から左右する政策はない。にもかかわらず、貧困、介護、育児の制度はたいへん複雑で、全体像は迷宮のよう。まして政治で何が争われているか分かりにくい。政府や自治体の政策論議に深く関わりつつ、同時に批判的な視点も貫いてきた福祉政治論の第一人者が、貧困、介護、育児をめぐる生々しい政治に分け入り、そこでの対立点を明らかにしつつ、停滞から脱却する道筋を考える。「新しい生活困難層」が急増するなか、求められるのは「自立支援」かベーシックインカムか?老いを支えうる介護保険制度のための選択肢は?待機児童解消だけが保育改革の目標でよいのか?ベーシックアセットによる福祉国家再生という大きな頂を望みつつ、現実の複雑な地形からそこにたどり着くルートを探索した、類書のない福祉政治論の達成。
※本データはこの商品が発売された時点の情報です。