日本の近代史は暴力で彩られている。明治維新、自由民権運動―。こうした事件や騒動には、無頼漢やヤクザなどの「暴力専門家」が密接に関係していた。暴力と民主主義が絡み合いながら共存してきた日本の近代史の中で、暴力はいかにして民主主義を促進すると同時に脅かす存在であり得たのか。そして、民主主義はいかにして暴力を生み出すと同時にそれを内に抱え込んだのか。政治暴力の文化と民主主義はどのようにしてまったく同時に作動し得たのか。明治時代の博徒から第二次世界大戦後の暴力団まで、「暴力専門家」たちのあり様を通して、暴力が政治の実践全般に深く埋め込まれていたことを明らかにする。
※本データはこの商品が発売された時点の情報です。