本巻では、一九一九年の三・一独立運動ののち一九二〇年代から一九三〇年代初頭までの時期を扱う。第一次世界大戦後の世界的な民族闘争の高揚と帝国主義体制の再編の中で、日本の朝鮮植民地支配は武断統治から文化政治への転換を余儀なくされた。『東亜日報』『朝鮮日報』をはじめ多くの新聞・雑誌が発刊され、検閲や弾圧を受けながらも活発な言論空間が開かれた。そこには、民族解放にかかわる民族主義者と社会主義者の論争をはじめ、都市と農村、身分制度と女性解放、生活改善運動などの社会問題、宗教・教育・文芸・言語などの文化問題に関して多様な議論があった。論争の時代ともいうべき時期の代表的な基本史料四八点を収録する。
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