紫陽花/杉山 実
金井花梨は十年以上前、夫の圭太がスナックのママと浮気をし、内緒で貢いでいることを知り離婚した。
その為、スナック通いをする男たちを軽蔑していたのだが、生活の為にやむを得ずスナックで働くことになってしまう。
子どもは兄と妹の二人いるが、長男の方は夫に引き取られ、病気がちで身体の弱い妹の方は引き取って育てている。
花梨が務めるスナック梨花には、文具店チェーン社長の大藪、建設会社社長の渡辺、役所の課長補佐佐伯らが花梨目当てに通っているが、花梨は、彼らは常連客なので適当に相手をしているが、全く恋愛感情は持てない。
もっとも、大藪も渡辺も妻帯者で、佐伯はバツイチだが、梨花には最近通い出したばかりである。
離婚や夜の仕事を通して、自分と接する人たちの本当の気持ちは何? 自分の信念が正しいのか? 別れた夫圭太とその両親との複雑な関係と駆け引き、自分の気持ちとの葛藤に苦しむ花梨の姿を描く作品。
■□ 著者のプロフィール ――――――――――――――□■
兵庫県在住。
著作:
朝霧(ブックウェイ、2015年)
縁結(ブックウェイ、2015年)
今耳に風が囁く(ブックウェイ、2015年)
瞬きの偶然(ブックウェイ、2016年)
舞い降りた夢(ブックウェイ、2016年)
幻栄(ブックウェイ、2016年)
居酒屋の親父(ブックウェイ、2016年)
神々の悪戯(ブックウェイ、2016年)
紫陽花(ブックウェイ、2017年)