海軍と父と母…絆としがらみ/鯖江 友朗
今年、平成二十七年は戦後七十年という節目になる年だと言われています。
ですから安倍首相が出す談話については、昨年来、韓国と中国は言うまでもなく、アメリカまでが関心を持っています。その焦点になっているのは日本のいわゆる歴史認識が妥当であるかどうか、つまり日本は先の大戦をどう考えているのか、です。
先の大戦とはアメリカが言う太平洋戦争ですが、日本はそれを大東亜戦争と呼んでいました。しかし中国はそれを満州事変から続く日華事変だとしています。
これらの戦争は、ある日、突然勃発したものではありません。その原因は明治四十三年の寺内正毅統監と李完用首相により調印された韓日併合条約に遡るだけでなく、明治三十七年からの日露戦争や明治二十七年の日清戦争にも端を発しています。したがってその源流は明治維新に繋がります。つまり歴史を正しく認識するためには、なぜ日本が江戸の幕藩体制を変革し、開国へ舵を切ったのかということまで理解するべきではないでしょうか。
今年、平成二十七年は戦後七十年という節目になる年だと言われています。
ですから安倍首相が出す談話については、昨年来、韓国と中国は言うまでもなく、アメリカまでが関心を持っています。その焦点になっているのは日本のいわゆる歴史認識が妥当であるかどうか、つまり日本は先の大戦をどう考えているのか、です。
先の大戦とはアメリカが言う太平洋戦争ですが、日本はそれを大東亜戦争と呼んでいました。しかし中国はそれを満州事変から続く日華事変だとしています。
これらの戦争は、ある日、突然勃発したものではありません。その原因は明治四十三年の寺内正毅統監と李完用首相により調印された韓日併合条約に遡るだけでなく、明治三十七年からの日露戦争や明治二十七年の日清戦争にも端を発しています。したがってその源流は明治維新に繋がります。つまり歴史を正しく認識するためには、なぜ日本が江戸の幕藩体制を変革し、開国へ舵を切ったのかということまで理解するべきではないでしょうか。
いずれにしても戦後七十年間、日本は朝鮮動乱を除けば、直接戦争に関わることはありませんでした。その結果、一般の日本人の戦争体験は風化しています。世界各地で紛争があり、銃声が鳴り響いているのが現実だとしても、です。
この本は先の大戦に触れていますが、戦争の悲惨さを訴えるものではありません。一人の少年が大戦前後をどう生き抜いてきたのか、彼が両親とどう関わってきたのかを描いたものです。
この本の主人公は実在した人です。とは言え、この本が彼の実像を捉えている訳ではありません。なぜなら限りある資料を基に創作された部分が多いからです。
その意味では本人があの世でため息を漏らすような箇所が多いかもしれません。ただし著者としては彼を翻弄した大きな出来事を忠実に捉えたつもりです。文責はすべて著者にあります。
主人公の息遣いを感じていただければ幸いです。
■□ 著者のプロフィール ――――――――――――――□■
鯖江友朗(さばえともろう)
昭和27年、島根県浜田市に生まれる
平成24年、定年退職
現在、神奈川県横浜市在住
他の著作:
短編集『これってあり?』風詠社、2012年
短編集『これでいいの?』ブックウェイ 2013年
短編集『これでもいいのかな?』ブックウェイ 2014年