『薬子伝』−誇り高く美しく−/
平安時代初期、日本のクレオパトラと呼ばれた藤原薬子の物語。
6年ぶりに宮中へ上がった薬子は、娘に憎悪の眼差しを向けられる。娘にとって母薬子は恋敵なのだ。
第一章では薬子が娘との葛藤を通して、6年前に自分を貶めた相手を突きとめていく。
第二章はその相手と対峙し、決着へと導いていく章。
最後第三章は皇位を巡る争いに敗れ、都を離れた薬子の最愛の人・平城天皇との苦悩を描く。
娘に付き添って宮中へ上がり、本来は娘の配偶となるべき平城(へいぜい)天皇の愛人となってしまった女性、薬子(くすこ)。そこに藤原氏同士の対立、公卿たちの思惑が絡み合う王朝の物語。
韓流時代劇に見るような宮廷ドラマが日本にもありました。愛憎渦巻く宮廷の中で、こんなふうに愛せたら、そしてこれほどまでに愛されたら、そう思わせてくれる至上の愛の物語です。
少し年増でちょっと気の強そうな、そしてダメンズウォーカー癖のある、あなたの大好きな女優さんを思い浮かべて読んでください。きっと何かが伝わる筈です。