我を問うなかれ/一成・アンダー木

大阪のミナミの繁華街で、クレジットカード詐欺に遭ったサラリーマンが自己決着を図った。偶然、事件を担当した刑事敷島の不条理なそれ以降を現わしたものである。
日本有数の大阪堺の泉北ニュータウンに起こった未解決事件の児童誘拐事件を大阪府警は秘密裏に「透視」を援用して解決を図ろうと画策した。その担当刑事として敷島が抜擢される。そのような非科学的な手法を最も嫌う警察において、部下の北村と透視家との捜査についての葛藤が延々と続く。
捜査期限が間近に迫った時期に、事件が一気に動き出し、多くの容疑者が浮かび上がるが決め手がない。容疑者の複雑な深層心理、事実を明らかに出来ないまま、捜査関係者が各自疑心暗鬼のまま解決に収斂しようとした結果、事件は思わぬ展開で決着を見る事になるが。
著者のプロフィール
大阪市出身、幼少期から高校卒業まで兵庫で育つ。
地方の二流大学を卒業後、大阪本社の二流のゼネコンに就職。
定年退職まで一途に経理畑を標榜するも報われず、退職後、親の介護の傍ら執筆活動を行う。