夜の蛾/杉山 実

お馴染み静岡県警の野平一平、美優シリーズ
数々の難事件で功績が有る美優は、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。
晩秋の早朝、浜名湖の舘山寺温泉の近くの空き地で、一流企業の常務が毒物により車内で死亡。
自殺か他殺か?数日後連続で同じ毒物による死体が発見されて、連続殺人事件として静岡県警に捜査本部が設置された。
「お前達は夜の蝶では無い、夜の蛾だ」風俗で働いている女性にその様な言葉を浴びせている人物が被害者?
被害者の持っていた青酸化合物は、昭和三十年代に取引先が使っていた物だった。
自分が持っていた毒物で自分が死んだが、自殺では無く他殺。
美優が再び、一平の手を借りて事件を解決していく。
そこには権力とエロの世界に翻弄された人々が居た。
物語は数年前と現在が交差して進みます。
美優と一平シリーズでは過去最高の面白さ、絡み合った犯罪が複雑にするが、美優が見つけた偶然が事件を解明の方向に導く、そこには哀しい現実が待っていた。
著者のプロフィール
兵庫県在住。

著作:
朝霧(ブックウェイ、2015年)
縁結(ブックウェイ、2015年)
今耳に風が囁く(ブックウェイ、2015年)
瞬きの偶然(ブックウェイ、2016年)
舞い降りた夢(ブックウェイ、2016年)
幻栄(ブックウェイ、2016年)
居酒屋の親父(ブックウェイ、2016年)
神々の悪戯(ブックウェイ、2016年)
紫陽花(ブックウェイ、2017年)
偶然の誘い(ブックウェイ、2018年)