里見太平記 三省堂書店オンデマンド
出版社:アメージング出版
著者名:夢酔藤山
関東の戦国へ颯爽と躍り出た安房里見氏。一族内乱を乗り越え戦国大名へと台頭した里見義堯は、生涯を通じ北条に抗うことで中原の雄としての存在を発揮した。そして息子の里見義弘、国府台合戦に敗れた小弓公方眷属を匿うなか、姫に心惹かれていく。
江戸湾を挟む戦いの中、北条の調略により安房上総は内乱となる。その渦中で北条勢に奪われた小弓公方家の姫を取り戻すことが里見義弘の執念となり、成就へと結びつく。北条との戦いは激しさを増し、上杉謙信・武田信玄をも巻き込み、やがて関東を巻き込んでいく。
房州日日新聞で2007年8月6日から2008年1月9日まで連載された本作は、八犬伝ではない、里見正史を丹念に描き上げた里見三部作最初の作品「春の國」を大幅に書き直した意欲作である。