Dry Guillotine -乾いたギロチン- 三省堂書店オンデマンド

出版社:アメージング出版
著者名:ルネ・ベルブノワ/宗功希
〈あらすじ〉
あるパリの若者ルネ・ベルブノワは複数の窃盗を犯し、フランス領ギアナ流刑地での強制労働八年を宣告された。そこで待ち受けていたのは、マラリアや赤痢など死の病気が蔓延し、懲治行政による残虐な刑罰によって囚人たちが蝿のように次々と死んでいく地獄のような環境だった。体が小さく弱かったベルブノワにとって、それは死刑を宣告されたも同然だった。しかし、彼はほかの誰よりも勇気を持っていた。あるときは、深く険しいジャングルの中をさまよい、またあるときは、嵐が吹き荒れる海をカヌーで渡り…四度脱走に失敗し、そのたびに流刑地へ送り返された。巨大な木々を切り倒す重労働、暗闇の狭い独房に一日中閉じ込められる重禁錮刑…脱走を犯した者に対する処罰は容赦がなかった。ジャーナリストの経験があった彼は、流刑地の実態を余すところなく綴った原稿の束を抱えて再び脱走し、自由の国アメリカへ向かった。

本書『乾いたギロチン』は、フランス人のルネ・ベルブノワがフランス語で執筆した原稿が英語に翻訳され、初版が1938年にアメリカ合衆国のニューヨークで刊行された。瞬く間にベストセラーとなり、11カ国語以上に翻訳され、100万人以上の読者に衝撃を与えた。この本について特筆すべき点は、初版が刊行されてから数カ月後にフランス政府がギアナ流刑地の閉鎖を世界に約束したことである。フランス革命時から一世紀以上続いた“乾いたギロチン”に終止符を打った男の驚くべき実話。

訳者:宗 功希(そう ごうき)
1993年、東京生まれ。立教大学文学部文学科フランス文学専修卒。