地域コミュニティの研究−組織・規範・資源からの考察− 三省堂書店オンデマンド
出版社:玄武書房
著者名:國重正雄
なぜ、本書は「研究」というタイトルを付けているのでしょうか。
本書では、地域コミュニティ論について、主に次の3点から、研究することとしたからです。
1 組織および規範について
これまでのような地域自治会論はもとより、より広域の小学校区、中学校区という地域社会単位や協議会型住民自治組織における地域住民同士の交流から生まれる目的意識、規範から地域課題解決策を模索します。
2 地域資源について
地域は、住民のソーシャル・キャピタル(社会関係資本)やヒューマン・キャピタル(人的資本)という資源を育む場であると同時に、それらは、地域再生に資するものでもあります。その活用策を検討します。
3 コミュニティ政策論について
山積する地域課題に対して、何をすべきなのか。また、何をすべきではないのか。医療・福祉問題、雇用・就業問題、開発論における社会開発といった観点から、地域での取組みを考察します。また、地域団体・組織の継続性のための条件<2つの不等式>を検討し、地域での政策的アプローチを提案します。
【目次】
I. 組織編 〜参加が組織をつくる〜
第1章 地域コミュニティとは何か
第2章 地域コミュニティをどう捉えるのか
第3章 地域コミュニティと地域組織
II. 規範編 〜交流が規範をつくる〜
第4章 家庭の機能と地域課題
第5章 地域課題と協議会型住民自治組織
第6章 地域住民による参加型調査
III. 資源編 〜地域が資源をつくる〜
第7章 ヒューマン・キャピタルと地域の人材養成
第8章 ソーシャル・キャピタルと地域での協力関係
第9章 コミュニティ再生と住民のワークショップ
IV. 個別政策編
第10章 医療・福祉問題と地域コミュニティ
第11章 格差・就業問題と地域組織間連携
第12章 社会開発と地域コミュニティ
V. 政策編 〜連携が政策を活かす〜
第13章 コミュニティ活動と2つの不等式
第14章 政策の3要素と政策的アプローチ
第15章 地域コミュニティと自治体政策