【大活字本】大衆明治史【国民版】上巻 (響林社の大活字本シリーズ) 三省堂書店オンデマンド

出版社:響林社
著者名:菊池寛
【大活字本について】
響林社の大活字本シリーズは、B5サイズ(週刊誌大)、活字はMS明朝で、20-22ポイント程度の大きさの活字になっています。
『大衆明治史(国民版)』の大活字本については、現代仮名遣いとし、難解な字については振り仮名を多めに付けて読みやすくしました。
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【解説】
本書は、最近新たに注目を集めている、菊池寛の明治近代化の歴史を生き生きと描いた通史的物語である『大衆明治史(国民版)』を大活字本として発行するものです。
内容はよく知られている歴史上の出来事を記述していますが、その筆致は明治日本を支えた人物像を活写し、その現場に立ち会っているように感じられます。ところが、なぜか本書は、第二次大戦後に、占領軍GHQによって発禁図書となってしまいました。占領下、7千冊以上の戦前・戦中の書物が没収されたそうですが、大衆小説家の菊池寛の著作が発禁とは驚く話です。菊池は、「太平洋戦争中、文芸銃後運動を発案し、翼賛運動の一翼を担ったために、戦後は公職追放の憂き目にあい失意のうちに没した。」(ウィキペディア)とありますから、そういう菊池の著作だから、ということでしょうか。今から見れば、こういう著作が発禁処分とは大きな違和感を感じます。
菊池寛は、現在市販されている著作はごくわずかですが、実際には膨大な著作群があります。その中で歴史物語は、人物に着目して描いているために、実にわかりやすく、かつ魅力的です。「日本歴史物語全集」や「大衆維新史読本」などは日本の通史を生き生きと描いている素晴らしいシリーズで、この「大衆明治史」もそれに連なるすぐれた歴史物語ですが、これらの著作群が現在では市販されていないのは残念な限りです。そこで、響林社文庫シリーズとして、汎用社版の『大衆明治史(国民版)』を2016年に電子書籍(版面固定型)の形で復刻本として発刊したところですが、今回、紙書籍の大活字本シリーズとして、上下2分冊で発行することに致しました。
本書を読み通してみると、明治日本は、半世紀にも満たぬ間に驚異的な近代化を成し遂げたものの、その過程では多くの苦難があり、それを乗り越えることができたのは、世界の大勢を洞見した優れた指導者たちと国民の挙国一致の団結とによってであったことがひしひしと感じられます。
なお、この「大衆明治史」については、西尾幹二氏が、YouTubeで「GHQ焚書図書開封 第32回」で内容と魅力を紹介しておられます。50分間ですが、熱く語っていてわかりやすいのでお薦めです。

【上巻の収録内容】
第1章 廃藩置県/ 第2章 征韓論決裂
第3章 マリア・ルーズ号事件/ 第4章 西南戦争
第5章 十四年の政変/ 第6章 自由党と改進党
第7章 国軍の建設/ 第8章 憲法発布
第9章 大隈と条約改正/ 第10章 日清戦争前記
第11章 陸奥外交の功罪/ 第12章 三国干渉

【お薦め】
『大衆明治史(国民版)』については、朗読CD(全4巻)も、響林社から発売しています。