Tender Sight YOSUKE TSUCHIDA PHOTO COLLECTION / 土田陽介/編著

見たことのない 生きものたちの表情と色彩 〈帯より〉思わず見入ってしまう。生き物たちの、まるでスノードームのような美しい瞳にだ。その、世界をまるごと写し、世界を睥睨(へいげい)しているかのような球体には、命という光が宿っている。写真家土田陽介は、生命の神秘を宿した瞳を、写真という饒舌な沈黙に翻訳している。鏡のような瞳の中に、カメラを構えている写真家の姿が見えてくるような作品なのだ。もちろん、瞳の登場しない写真にも、ファインダーを覗いている写真家の瞳が現れる。鑑賞者の立脚点がカメラマンの視点と重なるからだ。この二つの澄んだ瞳が、土田陽介の美しい写真の魅力を形成している。だから、私たちは作品の前で立ち尽くし、見入ってしまうのだ。 萩原朔美(多摩美術大学名誉教授、前橋文学館特別館長、演出家、映像作家、エッセイスト)<br>