きっかけはコイの歯から 魚と米と人のかかわり / 中島経夫
コイ科の咽頭歯の形を類型化するうちに、古生物・考古学等の研究者と出会い、学際的研究へと発展、琵琶湖博物館では博物館サポーター「うおの会」との共同研究をしてきた著者が湖と人の関係を問う自伝的研究史。コイ科魚類の咽頭歯を研究していた著者は必要に迫られ『中国鯉科魚類志』の翻訳を手がけ、当時大学にはなかった走査型電子顕微鏡を備えている歯科大学に就職した。わずか数mmの仔魚、しかもその歯を取り出すという、途方もなく大変な作業をしつつ、友田淑郎先生の影響で化石探しに没頭し、古琵琶湖に関る研究者達と「琵琶湖自然史研究会」を結成し、琵琶湖の自然史を明らかにした。<br />そんな折り、琵琶湖博物館準備室職員に応募、学芸員となるや、住民を巻き込んだ「うおの会」での調査研究、考古学や歴史学、社会学の研究者を巻き込んだ学際的なコイをめぐる総合研究に奮闘した。そしてこれまでの研究を振り返り、思う事は……。<br>中島経夫
サンライズ出版
2024年01月
キツカケ ハ コイ ノ ハ カラ
ナカジマ ツネオ
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