一心一貫 五行歌集 / 篠原哲夫/著

「学ぶ」心を学べる歌集天職と思った教職から一転、苦難を乗り越え、家族と支え合い、生徒と学ぶ姿が心を打ちます。<br><br>「学ぶ」ということを、学べる歌集だと思う。作者は私塾で子どもたちを教えているが、「教える」というより「ともに学ぶ」と書く。<br> 自分が上に立っているという気持ちがない。だから、「共に学ぶ」となる。<br> すばらしい先生だな、と思う。こういう先生といっしょに学びたかったとも。<br> <br> 一対一<br> 笑顔の中に<br> 真剣勝負<br> 生徒と先生が<br> 互いに学ぶ<br><br> 真剣勝負だから、甘くはない。いや、真剣だからこそ、勝負にもなり、物事も本気で考える。そこで得たものは、確固たるものとなり、その人の人間性の基盤ともなる。<br> 病弱で、私塾で子どもたちとともに学ぶことしかできなくなった作者は、ある意味で最も崇高で意義ある道にあるともいえる。<br> 人ともに学び続けるのだから。     (草壁焔太跋文より)<br>