マイナンバーカードの「利活用」と自治 主権者置き去りの「マイナ保険証」「市民カード」化 / 稲葉一将

「マイナ保険証」問題で医療の現場は混乱している。なぜ、現在の健康保険証を廃止して「マイナ保険証」なのか。図書館カードなどとマイナンバーカードとの紐づけも進む。1枚のカードに個人情報が集約されることの意味は何か。健康保険証、図書館カードや交通パス、各種資格証明書などとマイナンバーカードとの紐づけが進みつつある。分散管理されてきた個人情報が1枚のカードに集約され二次利用されると考えた場合、私たち国民の個人情報は守られるのか。第1部では、マイナンバーカード取得「義務化」の実験場とされている医療の実際をとらえ、保険者である自治体の役割を問い直す。第II部では、マイナンバーカードの図書館カード利用や、国のデジタル化「先進」事業と位置づけられている自治体の事例から、地方自治における「市民カード」化の意味と問題点を問う。<br>稲葉一将
自治体研究社
2023年12月
マイナバ− カ−ド ノ リカツヨウ ト ジチ
イナバ カズマサ
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