服部雪斎 幕末から明治を生きた、精美なる花鳥図の絵師 / 児島薫
服部雪斎とは誰なのか――美術の激動期を生き、博物図譜や植物図鑑の書き手として重用された人物。その知られざる画業に迫る。服部雪斎とは誰なのか――<br><br>膨大な貝を貝殻の形状と色によって整然と分類し、それに基づいて九百を超す数の貝を収録した『目八譜』(武蔵石寿著、1845年序)、鶴から烏まで六十一種類の鳥の絵と解説を収めた『華鳥譜』(森立之著、1861年序)。<br>それに加えて、『唐本草石譜』という様々な色や形の鉱物を収録した図譜もある。<br><br>また幕末から明治への転換期、西欧諸国との外交の場で交わされていた贈答絵画でも腕をふるい、英国王子に贈呈する画帖の制作などに携わっている。<br><br>美術の激動期を生き、対象を緻密に捉えた鮮彩な描写で、博物図譜から明治天皇が英王子へ贈った画帖、植物図鑑の描き手として重用された雪斎。<br>時の幕府や新政府、周辺の人々との関係をもとに、その知られざる画業に迫る。<br><br>*巻頭カラー 16ページ<br>児島薫
教育評論社
2025年06月
ハツトリセツサイ
コジマ,カオル
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