地域課題分析レポート 2025年冬号 / 内閣府政策統括官(経済財政分析担当)/編集

我が国の賃金動向については、5%を超える賃上げ率となった昨年度の春季労使交渉を上回る水準で今年度の交渉が進んでおり、過去30年にはみられなかった力強い動きをみせている。こうした流れを定着させ、我が国経済が「賃上げと投資がけん引する成長型経済」に移行していくためには、賃金上昇の動きが全国津々浦々へと広がり、物価上昇を超えることで消費者の購買力を高め、消費から生産・投資へとつながる好循環を作り出していくことが重要である。本レポートでは、賃金上昇の状況を地域別に把握した上で、その背景を分析するとともに、各地域の消費動向を確認することにより、好循環の波及を考察した。<br> 第1章では、フルタイム労働者、パート・アルバイトに分けた地域別の賃金動向を概観するとともに、雇用者数や労働需給の動向を確認した。<br> 第2章では、各地域における最近の賃金動向や雇用環境について、企業の事業環境や労働市場、各制度面の要因がどのように影響しているかを確認した。<br>第3章では、消費動向に影響を与える消費者物価や消費者マインドの動きを地域別に概観した上で、今後の課題を示している。<br>