歌集 流 / 桜川冴子
水俣を離れ続けてほーれ、ほう流民の舟にあれば歌へり<br /><br />流――水俣を離れて50年。<br />ふるさとの家はなお水俣にありて歌い続ける著者のこれまでの5冊の歌集から抄出した選歌集<br /><br /> <br /><br />【収録歌より】<br /><br />頼りない湯豆腐のような君なれば生姜のように座ってあげる<br />沈黙の会議はつづく 微笑みてをれど開かぬモナリザの唇<br />大宇宙つくり給へる手を想ふまつ白な雪を転がしながら<br />言葉より生れたるやうにひいふうみいひいふうみいと丘をゆく蝶<br />古池や 蛙は何匹ゐるのかと言ひあつた日々よ欠席に○をす<br>桜川冴子
書肆 侃侃房
1999年12月
カシユウ リユウ ユニヴエ?ル 20
サクラガワ サエコ
ユニヴェール 20/