くやしさをバネに チョン・ファシンのめくるめく人生 / チョン ファシン 著
目と口と耳があれば生きてゆける。<br /> <br /><br />日本語は一言もしゃべれず、書くこともままならなかった娘チョン・ファシンは日本で働く朝鮮の青年と結婚し、15歳で日本に渡る。80年に及ぶ日本での過酷な日々を、いつも明るく逞しく不撓不屈の精神で生き抜いた1人の朝鮮人女性の生涯を描いた感動の物語。<br /> <br /><br />長い髪をきりりと結んだ利発そうな若い女性が深々と頭を下げた。<br /><br />母は若い教師の手を握りながら、嬉し涙をあふれさせる。目の前にいる女性こそ、自分の夢、<br /><br />教育を受け教師になりたかった自分の姿だと。<br /><br />母の涙を眺めながら、母が今の時代に生まれていたら、と夢想した。両親や夫への反骨心だけが日本に渡った母を支え、ここまでやってこられたことを思うと、人生にとって何が大事なのかは、人それぞれの気がした。<br>チョン ファシン 著
書肆 侃侃房
2022年04月
クヤシサ オ バネ ニ
チヨン フアシン
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