歌集 世界が海におおわれるまで / 佐藤 弓生 著
【歌集より】<br />秋の日のミルクスタンドに空瓶のひかりを立てて父みな帰る<br />とうめいなかかとのかたち天空も公孫樹の黄(きい)を踏んでみたくて<br />風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで<br />白の椅子プールサイドに残されて真冬すがしい骨となりゆく<br />革装の書物のように犀は来て「人間らしくいなさい」と言う<br />「夢といううつつがある」と梟の声する ほるへ るいす ぼるへす<br>佐藤 弓生 著
書肆 侃侃房
2020年12月
カシユウ セカイ ガ ウミ ニ オオワレル マデ
サトウ ユミオ
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