ちるとしふと / 千原 こはぎ 著

歌のひとつひとつが静かな雨のように降り注ぎ、鼻の奥がつんとしました<br />恋をした、恋をしている、恋をなくした<br />あなたに読んでほしいのです<br />(谷川史子)<br /><br />それはやっぱりすきなのですか<br />〈チルトシフト〉が生み出すおもちゃめいた世界<br />そこにリアルな恋心が溢れている<br />(加藤治郎)<br /><br />【5首】<br />存在をときどき確かめたくなって深夜ひとりで立つ自動ドア<br />すべてから置き去りにされているような心地してたぶんありふれている<br />すきすぎてきらいになるとかありますかそれはやっぱりすきなのですか<br />距離を置く作戦実行中ですが月がきれいで話がしたい<br />おしまいはいつも「じゃあね」と言うきみに「またね」と返す祈りのように<br>千原 こはぎ 著
書肆 侃侃房
2018年04月
チルトシフト
チハラ コハギ
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