戦後日本の形成と東アジア 「入亜」の経済・経営史 / 沢井実

特需以降も続いた軍需産業の模索や、アジアとの経済関係の再構築過程を包括的に実証。「高度成長」が覆い隠したものに光を当てる。民需への転換の手前で模索を続けた軍需産業の戦後史的意義を初めて本格的に跡づけるとともに、技術協力からバナナ貿易まで、アジアとの経済関係の再構築過程を包括的に実証。戦前からの人脈・企業の連続性や賠償・植民地問題もふまえ、戦後史の大きな物語が覆い隠した選択と挫折の積み重ねに新たな光を当てる、渾身の成果。<br><br>……非軍事化と脱植民地化という初期条件は戦後日本の出立にあたって決定的な影響を与えた。しかしその後の戦後日本が軍事化と無縁であったわけではなく、国内における防衛庁需要という新たな需要の台頭と、武器輸出先としての東南アジア市場開拓およびその挫折があった。また敗戦によって「帝国日本」は終焉を迎えたものの、帝国意識の名残りはさまざまな形で経済活動を規定することになったのである。(「序章」より抜粋)<br>沢井実
名古屋大学出版会
2025年07月
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