細見綾子の百句 丹波人の矜持 / 山崎祐子 著
◆百句シリーズ<br />大好評のシリーズに細見綾子が登場!<br />名句が気軽によめる<br /><br />◆丹波人の矜持<br /> 綾子は、丹波に帰省するとまず墓参りをし、近所の人たちも綾子の家族を喜んで迎えた。墓参りの道すがら、同行の欣一が「ただいま帰りました」とにこやかに挨拶したと近所の方が伝えている。妹の千鶴子は母親に似て料理も機織りもよくした。綾子の家は、夏になれば障子を葦戸に替え、いつ帰ってもいいように管理されていた。正月や節供が近づけば餅を搗いて武蔵野の家へ送り、蕗の薹が出れば段ボール箱に詰めて送った。綾子の武蔵野での暮らしが丹波とともにあったのは、千鶴子や近所の人たちの支えがあったからであろう。<br /> 丹波から運んだ木の家で、母の手織りを纏い、丹波人と繋がりながら丹波とともに過ごした一生であった。<br />(解説より)<br>山崎祐子 著
ふらんす堂
2023年02月
ホソミ アヤコ ノ ヒヤツク
ヤマザキ ユウコ
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