天窓紀行 短歌日記2020 / 川野 里子 著

◆川野里子の366日<br />2020年3月9日<br />〈武装した小さなもの〉それは私だと思へばアルマジロのことなり<br />友達から接写で撮った蕗の薹の写真が送られてきた。緑色のアルマジロみたいだ。〈A武装した小さなものrmadillo〉はスペイン語。<br /><br />◆人間はなんと激しい旅を続けていることだろう。<br />私自身の生活を振り返れば、一月初旬から中旬かけてマレー半島を旅したが、帰国してのちそこはとんでもなく遠い場所になった。今もなおあらゆる場所が途方もなく遠い。近所の友人のあの居心地の良い居間でさえ。これほど簡単に世界は変わるのか、そして次に何が起こるのか、目を見張ったまま過ぎた。今もなお驚いたままだ。そんな状況で日記形式で短歌を作ることは私にとって思いがけない冒険となった。<br />(あとがきより)<br>川野 里子 著
ふらんす堂
2021年08月
テンマド キコウ
カワノ サトコ
/