そして、今 俳句日記2018 / 大牧広/〔著〕
◆シリーズ最新作<br /><br />昭和二十年五月の空は澄んでゐた<br /><br />昭和二十年の五月はどのような暮しをしていたか、それを思う時がある。<br />空襲で焼け出されて、焼トタ…◆シリーズ最新作<br /><br />昭和二十年五月の空は澄んでゐた<br /><br />昭和二十年の五月はどのような暮しをしていたか、それを思う時がある。<br />空襲で焼け出されて、焼トタンで掘立小屋をつくり、しゃがむような格好で、訳のわからぬ「代用食」(芋や大豆の炒ったもの)を食べていた筈だった。<br />工場等は空襲で焼けて零、空気はきれいだった。そんな環境でも希望はあった。<br />映画監督になりたかった。だから米の飯が一粒もなくても希望はあった。<br /><br />◆あとがきより<br />その日に在った事や心境を綴った上での一句である。つかず離れずして、それとなくエッセイと俳句がなじんでいる。<br />「そして、今」、多少の気負いと大きな「俳句日記」への熱い思いにひたっている。<br>