夏ほたる / 藤原緋沙子

コスミック時代文庫神田堤の人混みの中、身重の女が有り金全部掏られたところに居合わせた伊織。箱根の秘境にある湯宿『ほたるの宿』の女主人おみねは、契りを交わした人を捜しに遥々出てきたのだという。<br><br>「ほたるの舞うころにまた来たい」と言い残して江戸に帰った紙問屋の若旦那。子を宿したことを伝えてなく、母親になるためにもケジメをつけたかった。ところが紙問屋の若旦那は全くの別人だった! だがすぐに男の素性は分かる。なんと所帯持ちで、立派な老舗小間物屋の主だった! <br><br>しかし数ヶ月前から行方知れずのまま。男はなぜ箱根に行ったのか。またなぜ名を偽ったのか。男の言葉を信じてやまない身重のおみねに代わって、消えた男の探索に伊織たちが動き出す!<br>藤原緋沙子
コスミック出版
2025年10月
ナツホタル
フジワラヒサコ
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