日本人戦犯裁判とフランス インドシナ・サイゴン裁判・東京裁判をめぐる攻防 / 難波ちづる

裁く権限はどこにあるのか――<br><br>日仏の奇妙な「共存」の果てに、戦後の裁きは行われた。<br>日仏越の最新の資料を用いて、忘却された戦犯裁判の実態と、そこに表れる植民地主義の根深さに迫る。<br><br>東京裁判とBC級裁判では、「戦勝国」かつ「被害者」である連合国が、日本人による戦争犯罪の審議を行った。そのうちの一国がフランスであったが、第二次世界大戦下にドイツ占領下に置かれたフランスは、インドシナで駐留する日本と協力関係を築いていた。このような状況にあったフランスが、日本人戦犯裁判にどう関与していたのかほとんど知られていない。<br>本書では日仏共存した仏領インドシナ時代から、サイゴン裁判、東京裁判に至るまでの過程を克明に再現し、「未完の脱植民地化」を明らかにする。<br>難波ちづる
慶應義塾大学出版会
2025年06月
ニホンジンセンパンサイバントフランス
ナンバチヅル
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