「賤民の後裔」を生きる 北原泰作と部落問題 / 朝治武

本書は、北原泰作の歩みとその思想の変容の跡を日本現代史のなかに位置づけようとするものである。一人の部落解放運動家を通して見た部落解放論・運動の変遷、政治・社会情勢の検討と、戦前・戦後の部落解放運動史研究である。北原泰作は1906年に岐阜県の部落で生まれ、1922年、16歳のときに上京、東京に生活の拠点を置いて水平社に参加し、天皇直訴事件で名を馳せるとともに、しだいに制約の強まる戦時下の水平運動を担っていった。戦後は、郷土の岐阜に居宅をかまえて、1981年1月3日に75年余の人生を終えるまで、部落解放運動に従事し全国を奔走した。<br />本書は、北原の歩みとその思想の変容の跡を日本現代史のなかに位置づけようとするものである。北原泰作の先行研究を整理したうえで部落解放運動にかかわった時期を章ごとに区分し、歴史学として一人の部落解放運動家を通して見た、部落解放論・運動の変遷、日本の政治・社会情勢、また個人研究にとどまらない、戦前・戦後の部落解放運動史研究である。<br>朝治武
解放出版社
2025年06月
センミンノコウエイヲイキル
アサジタケシ
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