アンネ・フランクはひとりじゃなかった アムステルダムの小さな広場1933−1945 / R.フェルフーフェン

アンネと親友たちの愉しい日常は戦争で中断され、運命は引き裂かれた。それぞれの波乱に満ちた人生が、インタビューと史料から甦る。ヒトラーが政権を掌握した1933年、アンネの母親エーディトは、母国ドイツからアムステルダムに家探しにやってきた。物語はここから始まる。<br>ドイツは1940年にオランダを占領、そしてフランク一家が隠れ家に消えるのはその2年後だ。しかし潜伏までの約8年間、アンネは家の前のメルウェーデ広場を親友たちと「少女ギャング」よろしく闊歩し、小さな子供たちの世話をやき、隣人たちと豊かな時間を過ごしていた。<br>一方、アンネの親友たちとその家族はどうなったか。外国に脱出する一家もあったが、大半は拘束され、収容所に送られた。<br>著者は、この広場でかつてくり広げられたユダヤ人住民の日常、祭り、迫害、密告、抵抗の一部始終を、元住民へのインタビューや史料の渉猟から再現する。大きな歴史を反映した、小さなコミュニティの物語だ。<br>R.フェルフーフェン
みすず書房
2022年06月
アンネ フランク ワ ヒトリ ジヤ ナカツタ
リアン フエルフ−フエン
/