文学に描かれた「橋」 詩歌・小説・絵画を読む / 磯辺 勝 著

これまでに筆者が読んできた詩歌、小説などを通じて橋の記憶を掘り起こしつつ、人々にとって橋とはどのようなものだったのかを描く。文学に描かれる「橋」とは、渡るためのものではなく、人々の心を捉えるために存在するものである。小説の舞台として橋を巧みに利用することで、橋を渡る兵士たちの軍靴の足音が戦争の恐怖を伝え、橋が過去と現在をつなぐ役割を果たすことで、過ぎし日と、いまを見つめる登場人物の心の葛藤が深く投影される。<br>「橋」の世界が両岸を分けつなぐとき、文学はいきいきと動き出す。<br><br>磯辺 勝 著
平凡社
2019年09月
ブンガク ニ エガカレタ ハシ シイカ シヨウセツ カイガ オ ヨム
イソベ マサル
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