中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義 / 中島岳志

日本に亡命したインド独立の闘士。アジア解放への希求と日本帝国主義への依拠との狭間で引き裂かれた、懊悩の生涯を描く。大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞「大賞」受賞!<br><br>「私の二〇代は、この本を書くためにあったと言っても過言ではない。(中略)私は、彼が見た風景を少しでも追体験したかった。それは、私の中に、学術的探求心を超えた彼に対する愛があるからだろう。R・B・ボースの生涯は、私の人生の問いそのものであり、共感と違和感が交錯する複雑な対象でもある」(「あとがき」より)<br>一九一五年、日本に亡命したインド独立の闘士、ラース・ビハーリー・ボース。新宿・中村屋に身を隠し、西欧支配からアジアを奪還するため、オピニオン・リーダーとして活躍する。しかしアジア解放の名の下、日本軍部と皮肉な共闘関係に入っていく……。<br>「大東亜」戦争とは何だったのか? ナショナリズムの功罪とは何か? アジア解放への希求と日本帝国主義への依拠との狭間で引き裂かれた懊悩の生涯を描く。<br>中島岳志
白水社
2025年04月
ナカムラヤ ノ ボ−ス シンソウバン
ナカジマ タケシ
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