ヨーロッパの地政学 安全保障の今 / ジャン=シルヴェスト
これまでのヨーロッパの枠組みを捉え直し、中東欧地域や、北大西洋でつながる「西欧」まで広げて国際政治を考察する。ギリシアの女神に由来するヨーロッパという言葉が地理的な語として使われるようになったのは、大航海時代以降である。「ヨーロッパという概念は、こうした偉大な事業に乗り出した人びとが、新たに発見された大陸を前にして、自己のアイデンティティを獲得し、またそうした世界との差別化を図る手段であった」(ジュリアン・フロイント)。<br>ヨーロッパとはいかなるものか? 著者はまず地理的な特徴や文化的要因から輪郭を示す。次に、第二次世界大戦後、複数の多国間協力システムが設立され統合が実現したが、ヨーロッパのほとんどが加盟しているEUがグローバル・アクターとなりえない原因は何なのかを考察し、最後に、さまざまな脅威の交錯する地点に位置するヨーロッパが、その脅威にどう対処するのか、その方策を探る。<br>ヨーロッパの役割とは何か? そしてどこへ向かうのか?<br>ジャン=シルヴェスト
白水社
2024年07月
ヨ−ロツパ ノ チセイガク
ジヤン シルヴエストル モングルニ
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