ルネ・ジラール / クリスティーヌ・オル

ジラールが練り上げた「欲望論」「供儀論」「聖書論」といった独自の思想を辿りながら、その展開の必然性を説く。「概念の職人」の生涯と思想<br><br> ミシェル・セールをして「人文科学分野のダーウィン」と言わしめたルネ・ジラール。彼の初期の作品の評判は振るわなかったにもかかわらず、セールはダーウィンの進化論とジラールの模倣論の間に類似関係をみてとり、いち早くジラールの学説を評価している。<br> 本書は、ルネ・ジラールが練り上げた思想を辿り、その展開の必然性を説く。セルバンテス、フローベール、スタンダール、プルースト、ドストエフスキーらの作品に、欲望の三角形を見てとる「欲望論」、ギリシア悲劇やシェイクスピアの作品などから、贄のメカニズムや身代わりの犠牲者を解く「供犠論」、そして贄のメカニズムに終止符を打ち、模倣全体のメカニズムを暴きだす「聖書論」。23歳でアメリカに渡り、文学教師として大学を転々としながらも独自の思想を展開した暴力と宗教的なものの人類学者に迫る。<br>クリスティーヌ・オル
白水社
2023年04月
ルネ ジラ−ル
クリステイ−ヌ オルスイニ
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