真ん中の子どもたち / 温又柔
言語とアイデンティティが複雑に絡む境遇を生き、自らのことばを模索する若者たちの姿を鮮やかに描く青春小説。「母のくに」を併録。あらゆる境界線をひらく文学<br><br>著者の初期の代表作、待望のUブックス化!<br>日本人の父と台湾人の母をもつ19歳の琴子は、母の言葉である中国語を学ぼうと上海に留学する。ルームメイトとなった呉嘉玲は父が台湾人、母が日本人という境遇で、父の言葉を学びにやってきた。呉嘉玲と同じクラスの龍舜哉は、祖父の代に台湾から日本に渡った家系で、関西弁を話す。<br>標準的な中国語(普通話)を学ぶなかで、琴子は「普通」でない自分を突きつけられ動揺するが……。<br>言語に溶け込む歴史とアイデンティティが複雑に絡む境遇を生きる若者たちが、悩みながら自分自身のルーツを大切に見つめ直し、「私たちの言葉」として枝葉を未来へ広げていく。光が溢れる上海でのひと夏を鮮やかに描く青春小説。<br>単行本未収録の「母のくに」を併録。解説:川村湊<br>温又柔
白水社
2025年11月
マンナカノコドモタチ
オン,ユウジユウ
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