木のぼり男爵 海外小説永遠の本棚 / I.カルヴィーノ 著

恋も冒険も革命も、すべて木の上<br> 18世紀のイタリア、男爵家の長子コジモは、12歳のある日、かたつむり料理を拒否して庭園の樫の木に登った。両親に対する一時的な反抗とだれもが思ったが、その後もコジモは頑なに地上に降りることなく、木の上で暮らし始める。木から木へ伝って自由に移動し、森で猟をしたり、近隣を荒らす盗賊〈荒ら草ジャン〉と交わったり、読書にいそしんだりしながら大人になった。木の上で暮らすコジモは有名人となり、領内の女たちと(樹上で)愛を交わし、パリの《百科全書派》と文通もした。世界はやがて革命と戦争の時代へ、男爵家を継いだコジモの領する地方にも軍隊がやってきた……。恋も冒険も革命もすべてが木の上という、奇想天外、波瀾万丈の物語。文学の魔術師カルヴィーノが、人間存在の歴史的進化を寓話世界に託して描いた《我々の祖先》三部作のひとつ。新装改版。<br>I.カルヴィーノ 著
白水社
2018年02月
キノボリ ダンシヤク カイガイ シヨウセツ エイエン ノ ホンダナ
カルヴイ−ノ イタロ I
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