もう泣かない電気毛布は裏切らない / 神野 紗希 著
現代俳句の若手を牽引する著者の第一エッセイ集!なにげない日常生活での発句の一瞬を透明な文章で活写。読むと俳句をつくりたくなる俳句甲子園世代の旗手、待望の初エッセイ集<br><br>恋の代わりに一句を得たあのとき、私は俳句という蔦にからめとられた。<br><br>幼い息子の声、母乳の色、コンビニのおでん、蜜柑、家族、故郷……日常の会話や風景が、かけがえのない顔をして光り出す。<br><br>人は変わらないけど、季節は変わる。言われてみればそうかもしれない、と頷く。<br>定点としての私たちが、移ろいゆく季節に触れて、その接点に小さな感動が生まれる。過ぎ去る刻をなつかしみ、眼前の光景に驚き、訪れる未来を心待ちにする。<br>その心の揺れが、たとえば俳句のかたちをとって言葉になるとき、世界は素晴らしいと抱きしめたくなる。生きて、新しい何かが見たいと思う。(「あとがき」より)<br>神野 紗希 著
日本経済新聞出版社
2019年10月
モウ ナカナイ デンキ モウフ ワ ウラギラナイ
コウノ サキ
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