崩壊概論 / E.M.シオラン
明晰な懐疑による信念の解体と拠って立つ基盤の崩壊。否定の精神の顕揚と頽廃の擁護。思想家が初めてフランス語で放った危険の書。解説 大谷崇透徹した懐疑が矛盾の総体たる世界を熾烈なまでに問いただす。信念は解体され、拠って立つ基盤は崩壊する――。幻影の破棄と新たな幻影を希求した本書は、シオランが母語であるルーマニア語ではなくフランス語で初めて著した作品。未来に倦み、同時に言いようのない渇きに襲われながら、思想家は敗滅へと向かう人間の宿命を凝視する。繊細と皮肉、陶酔と幻滅、憤怒と倦怠、明視と錯乱……。不眠の夜々に咲いた断章群、それは、まぎれもなく現代の黙示録としてわれわれの精神に浸潤し、揺さぶりをかけるだろう。<br />解説 大谷 崇<br>E.M.シオラン
筑摩書房
2025年04月
ホウカイ ガイロン
E M シオラン
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