軍律法廷 戦時下の知られざる「裁判」 / 北博昭

戦時下において多くの敵国兵や民間人を死に追いやった軍の審判機関、軍律法廷。限られた史料を読み解き、謎に満ちたその正体に迫る。解説 新井京交戦下において軍律違反者を処断する軍の審判機関、軍律法廷。旧日本軍は先の大戦において、多数の敵国兵や現地住民をこの軍律法廷にかけて死罰などに処したが、その関連資料はことごとく処分され、いまだ全容は解明されていない。本書では、名古屋大空襲の際に捕縛した米兵11人を軍律法廷にかけて斬首した一件をめぐる戦犯裁判、「イトウ・ケース」に注目し、その記録から軍律法廷の実相に迫っていく。それは非道な殺害行為を正当化する建前に過ぎなかったのか、それとも戦時の無法を食い止める役割を果たしていたのか。史料を丹念に読み解き、その知られざる実態を明らかにする。解説 新井 京<br>北博昭
筑摩書房
2025年04月
グンリツ ホウテイ
キタ ヒロアキ
/