自由と理性 / R・M・ヘア

道徳判断は「指図性」を持ち、同時に「普遍化可能性」をも持つ。この二つの命題を論証することで、実践的な倫理学への道を拓く。解説 佐藤岳詩「自由と理性の間の二律背反を解消することが道徳哲学の課題であり、本書の課題である」。私たちは、自分で自分の行動を決める自由を持つと考える一方で、その判断は自分勝手ではなく、理性的でなければならないとも考える。本書では、道徳判断の主要な性格を「指図性」と「普遍化可能性」ととらえることによって、その規範的な効果を示し、道徳について生産的な議論への道をひらく。また、論証の実践例として人種差別問題――なぜ人種の違いを根拠として人間の取り扱いに違いがあってはならないのか――を取り上げ、理論の射程を示す。実践的で多元的な倫理学の構想。解説 佐藤岳詩<br>R・M・ヘア
筑摩書房
2024年12月
ジユウ ト リセイ
R M ヘア
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