エメ・セゼール 「黒人」の発明 / 尾立要子

ネグリチュード運動を牽引し、植民地主義を批判した現代フランス領カリブにおける最重要知識人セゼール。その知的全貌を明らかにする日本における初めての評伝。現代カリブの最重要知識人セゼールは、『帰郷ノート』(1947)で「ニグロ」の語から「ネグリチュード」概念を創出し、植民地主義を批判。一躍世界的な詩人としての評価を確立した。政治家としても半世紀にわたり市長と国会議員を兼任し、詩と政治の2つの営みによってマルティニークがフランスの「共和国」理念に基づく「都市(シテ)」となることを目指した。セゼールを、彼と共振した人々の歩みとともに、公文書資料やセゼール自身へのインタビューをもとに描き出す、日本で初めての画期的評伝。<br>尾立要子
筑摩書房
2025年10月
エメセゼ−ル
オリユウヨウコ
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