越境する出雲学 浮かび上がるもうひとつの日本 / 岡本 雅享 著
出雲という地名や神社が列島各地にあるのはなぜか。全国の郷土史を渉猟し、人の移動や伝承を広がりを丹念に跡付けることで、この国のもう一つの輪郭を描き出す。 古事記神話の4割余りを占める出雲には、この国の成り立ちを解く鍵がある。地名や神社、伝承や考古学的成果などから、列島各地の“出雲”を掘り起こしてきた筆者が、それらを結びつけていくことで浮かび上がる“もう一つの日本”を描き出す。 郷土と郷土の歴史を、時には国境をも越えて結びつけていくと、中央(国家)の視点で描かれてきた歴史とは異なる多様性、中央の下位的存在などではない地域の価値が浮かび上がる。地域を跨ぎ、地域をつなぐ出雲学の手法で、出雲から日本海沿岸を伝って越後で内陸に折れ、北関東へ至るルートなど、人の移動や文化伝播の流れを探究。中央―地方(周縁)という一元的な関係には収まらない、様々な地域と地域のつながりの中で多元的に醸成されてきた列島社会の基層、“別の鏡”に映し出された私たちのルーツ・自画像を可視化する。<br>岡本 雅享 著
筑摩書房
2022年08月
エツキヨウ スル イズモガク
オカモト マサタカ
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