喫茶の歴史 / 木村 栄美 著
従来の茶道史研究では見落とされがちであった中国の文人茶や煎茶にも注目しながら、日本の喫茶文化の長い歴史を語ります。〈喫茶の歴史は日本だけ、茶の湯だけでは語れない〉<br>〈新進気鋭の筆者による“新しい“「茶道教養講座」全16巻。第9回配本〉<br><br>嵯峨天皇の時代に唐風の喫茶が伝わって以来、中世には茶の効用が知られて寺院を中心に茶が飲まれ始め、南北朝時代には茶が嗜好品となって、安土桃山時代に「茶の湯」という喫茶文化が大成します。日本の喫茶文化のなかでは抹茶に注目が集まりがちですが、禅院での喫茶にも煎じ茶は用いられ、茶の湯の時代にも煎茶は共存していました。そして、茶を愛好する人々の理想像は、いつも中国唐時代に『茶経』を著した陸羽であり、「茶歌」を詠じた文人・盧同でした。従来の研究では見落とされがちな煎茶にもしっかりと目を向けて、日本の「喫茶史」を語ります。<br>木村 栄美 著
淡交社
2017年10月
キツサ ノ レキシ
キムラ エミ
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