王子ラセラス、幸福への彷徨 / サミュエル・ジョンソン/著 高橋昌久/訳

シリーズ第六弾は「幸福とは何か」について描いたサミュエル・ジョンソンの作品「幸福とは何か」。単純なようでいてたやすく答えの見つからない人類史上の難題。本作はイギリスの作家サミュエル・ジョンソンがこの難題に挑むいく人かの人々を見事に描き切った佳作である。翻訳を手掛けた高橋昌久氏もこのテーマについて深く考えたひとりであり、その洞察をもって『マテーシス』などの創作に昇華させた作家としての側面もある。どこか著者に似通ったところがあるように思う。「マテーシス古典翻訳シリーズ」第六弾。<br>