スーツケースの半分は /近藤 史恵 著 著

三十歳を目前にした真美は、フリーマーケットで青いスーツケースに一目惚れし、憧れのNYへの一人旅を決意する。出発直前、ある記憶が蘇り不安に襲われるが、鞄のポケットから見つけた一片のメッセージが背中を押してくれた。やがてその鞄は友人たちに手渡され、世界中を巡るうちに“幸運のスーツケース”と呼ばれるようになり…。人生の新たな一歩にエールを贈る小説集。

ウサギ、旅に出る/三泊四日のシンデレラ/星は笑う/背伸びする街で/愛よりも少し寂しい/キッチンの椅子はふたつ/月とざくろ/だれかが恋する場所/青いスーツケース

近藤史恵(コンドウフミエ)
1969年、大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。93年、『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年に『サクリファイス』で第十回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)