〈動物のいのち〉と哲学 新装版 / コーラ・ダイアモンド

動物のいのちを慈しむ人間の根拠を、倫理のさらに奥にある、傷ついた人間の心にひそむ「内なる声」に求める哲学者たちの白熱の議論。人は動物をどう扱うべきか。動物を愛することと、食べるために殺すことは両立するのか。<br>動物の肉は商品であり、畜産は工業生産と変わらない。しかし動物も人間も同じいのちを持つ。この矛盾をどう引き受けるのか。ノーベル賞作家クッツェーの「動物のいのち」を素材に、倫理的思考の基盤をさぐるダイアモンドの論考を起点にして、米哲学界の巨匠カヴェルや、分析哲学界の俊英マクダウェル、科学哲学者ハッキングらが動物と人間の倫理的関係をめぐって根源的思索を展開。近年の動物の権利論や人間の道徳的責任論とは一線を画し、人間の分裂した内面の傷に動物への共感と倫理の萌芽を見る繊細な思考と響きあう応答。<br>コーラ・ダイアモンド
春秋社
2025年01月
ドウブツ ノ イノチ ト テツガク シンソウバン
コ−ラ ダイアモンド
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