よむよむかたる / 朝倉かすみ
一冊だけ本を出したことのある〈小説家〉の青年が、平均年齢85歳の超高齢読書サークルに紛れ込む。最初は戸惑うが……。本を読み、人生を語る。<br>人が生のままの姿になり言葉が溢れだす。<br>そんな幸福な時間をぎゅっと閉じ込めたい、という願いが込められた物語です。<br><br><br>*<br>小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。<br>月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉は今年で20年目を迎える。<br><br>最年長92歳、最年少78歳、平均年齢85歳の超高齢読書サークル。<br>それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡は一度だけで伝わることもない。<br>持病の一つや二つは当たり前で、毎月集まれていることが奇跡的でもある。<br><br>なぜ老人たちは読書会を目指すのか。<br>読みが語りを生み、語りが人生を照らし出す。<br>幸福な時間が溢れだす、傑作読書会小説。<br>朝倉かすみ
文藝春秋
2024年09月
ヨムヨム カタル
アサクラ カスミ
/