楽しい孤独 小林一茶はなぜ辞世の句を詠ま / 大谷弘至

生涯、孤独な境遇にあった小林一茶の新たな姿を浮かび上がらせる。人生100年時代を軽やかに生きるヒントに満ちた一冊老(おい)が身の <br><br />値(ね)ぶみをさるるけさの春   一茶<br><br><br />「値踏みをする」は「値段を見積もる」という意味です。老人である一茶に対して、世間の目はあたかも商品の値段を付けるかのようであるというのです。一人住まいの貧しい老人である自分は価値のない存在としてみられている……一茶は、そんな世間の冷酷な視線ですら面白がり俳句にしてしまいます。いったいどうやったら、そんなことができるのでしょうか。<br><br /> 本書は、一茶の生涯をたどり、彼が遺した俳句を味わいながら、つらいことばかりが多い人生と向き合い、世間という荒波の中でどのように暮らしていていけばよいのか、生きるヒントを探る旅のガイドブックのようなものなのかもしれません。<br>大谷弘至
中央公論新社
2021年11月
タノシイコドクコバヤシイツサワナゼ
オオタニ,ヒロシ
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