嫉妬と階級の『源氏物語』 / 大塚ひかり

藤原道長の「お手つき」となり、その娘の家庭教師となった紫式部。「落ちぶれ感」を抱えた才女が物語にこめた秘密のメッセージとは?不遇の才女・紫式部が洞察した「嫉妬の本質」とは? 上流貴族から祖父の代に零落し、夫も亡くし、藤原道長の「お手つき」となり、その娘の家庭教師に甘んじた紫式部。「落ちぶれ感」を抱えた彼女が「もうひとつの人生」を求めて書きはじめた物語には、階級社会に渦巻く激しい嫉妬が描かれている。人気古典エッセイストが、源氏物語に秘められた紫式部のメッセージを読み解く。<br>大塚ひかり
新潮社
2023年10月
シツト ト カイキユウ ノ ゲンジ モノガタリ
オオツカ ヒカリ
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