小林秀雄の謎を解く 『考へるヒント』の精神史 / 苅部直
モーツァルト論から徳川思想史へ――批評の達人はなぜ転換したのか。ベストセラー随筆集を大胆に解体し、人文知の可能性を拓く論考。代表作『本居宣長』へと至る、大いなる「思考の冒険」とは? 気楽な随筆に見えた雑誌連載『考へるヒント』は、実は徳川思想史探究の跳躍板だった。モーツァルトやベルクソンを論じていた批評家が、伊藤仁斎や荻生徂徠らに傾倒したのはなぜか。その過程で突き当たった「歴史の穴」とは。ベストセラーを読み直し、人間の知の根源をも探る試みであったことを明らかにする、超刺激的論考。<br>苅部直
新潮社
2023年10月
コバヤシ ヒデオ ノ ナゾ ヲ トク
カルベ タダシ
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